e-ビジネス②

目次

Webを活用した販売促進

コンバージョン率

コンバージョン率は、ウェブサイトやアプリケーションにおいて、訪問者が目的とするアクション(例:商品購入、会員登録、資料請求など)を行った割合を示す指標です。

コンバージョン率の高さは、ウェブサイトやアプリの効果や魅力を評価する上で重要な要素であり、マーケティングやデザインの改善に役立ちます。

コンバージョン(conversion)は「変更」「変換」「転換」という意味の英単語です。

コンバージョンを獲得するためには、以下のような方法がとられます。

SEOSEO(検索エンジン最適化)は、自社のWebサイトが検索エンジン(GoogleやYahoo!など)で上位に順位に表示されるよう、コンテンツや構造を最適化する取り組みです。SEOの目的は、検索エンジンからの自然な検索流入を増やし、ウェブサイトの認知度や利用者数を向上させることです。SEO対策には、キーワードの選定や適切なタグの使用、内部リンクの最適化、外部リンクの獲得などがあります。
リスティング広告リスティング広告は、インターネット上での広告手法で、検索エンジンの検索結果ページに表示される広告です。広告主は、自社の商品やサービスに関連するキーワードを選び、ユーザーがそのキーワードで検索した際に広告が表示されるように設定します。広告費は、クリック単価(CPC)で決まり、広告がクリックされるたびに広告主が費用を支払います。
インタースティシャル広告インタースティシャル広告とは、ウェブページやアプリの画面遷移時に表示される全画面サイズの広告のことです。ユーザーが次のコンテンツにアクセスする前に一定時間広告を見ることが求められ、広告主にとっては訴求効果が高いとされています。ただし、ユーザー体験が悪化することが懸念されるため、適切なタイミングとバランスが重要です。
ポップアップ広告ポップアップ広告は、ウェブページ上に突如表示される小窓(ポップアップウィンドウ)に広告を表示する形式の広告です。ポップアップ広告は、訪問者の注意を引く効果がある一方で、ウェブサイトの閲覧を妨げることから、ユーザーに不快感を与えることがあります。そのため、近年ではポップアップ広告の利用が減少し、よりユーザーフレンドリーな広告手法が求められています。
バナー広告バナー広告は、ウェブサイト上に表示される短冊形の画像や動画を用いた広告の一種で、広告をクリックすると広告主のウェブサイトや特定のページにリンクします。バナー広告は、ウェブサイトのデザインやコンテンツと一体化しやすく、視覚的なインパクトを与えることができます。
オプトインメール広告オプトインメール広告は、事前に利用者の同意を得た上で、メールマガジンやニュースレターなどの形で広告を配信する方法です。同意を得ることで、広告がスパムと認識されるリスクを低減し、関心のあるユーザーに効果的にアプローチできます。
アフィリエイトアフィリエイトは、広告主とウェブサイト運営者(アフィリエイター)が提携し、広告主の商品やサービスをアフィリエイターのウェブサイトで紹介・宣伝するオンライン広告手法です。アフィリエイターは、広告をクリックして商品を購入するなどのアクションがあった場合に、広告主から報酬を受け取ります。
SNSSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、インターネット上で人々がコミュニケーションや情報交換を行うプラットフォームで、FacebookやTwitter、Instagramなどが代表的な例です。SNS上での広告は、ユーザーの興味や行動履歴に基づいてターゲティングされるため、効果的な広告展開が可能です。また、SNSは口コミや拡散効果が高く、ブランドの認知度向上や集客に役立ちます。
CGMCGM(Consumer Generated Media)は、消費者が作成し、共有するコンテンツのことを指します。これには、ブログ、動画投稿サイト、SNSでの投稿、レビュー、コメント、写真や動画などが含まれます。CGMは、消費者の意見や経験が直接反映されるため、企業にとって重要なフィードバックやマーケティング情報を提供します。
CMSCMS(Content Management System)は、ウェブサイトのコンテンツを簡単に管理・編集できるシステムのことを指します。CMSを利用することで、ウェブサイトの更新や追加、デザインの変更などがプログラミング知識がなくても簡単に行えます。代表的なCMSには、WordPress、Drupal、Joomla!などがあります。

ロングテール

ロングテールは、インターネットなどのデジタルマーケットで見られる商品販売のパターンを示す概念で、少量ずつでも多種多様な商品やサービスを合算すると大きな市場が形成される現象を指します

ロングテールの名称は、商品の売上をグラフに描いたときの形状から名前がつけられました。

売上の高いヒット商品を左側から並べ、その売上を縦軸に表示すると、少数のヒット商品が左側に高い売上を示す山を形成します。一方で、販売数が少ない数多くの商品は、右側に向かってなだらかに伸びる尾部分(ロングテール)を形成します。

上の図のグラフの緑と黄色の部分を比較してみてください。ロングテールの売上規模は全体に対して無視できない割合を占めていることが分かります。

これは、市場全体での需要が散発的であっても、インターネットの普及により個々の需要がマッチングされやすくなり、長期にわたって商品を販売し続けることができるようになったことが要因と考えられます。

ロングテールの考え方を活用し、一部の人気商品だけでなく、多種多様でニッチな商品群も大量に取り扱うことで、全体の売上を大きくすることができます。

特にインターネット販売などでは、在庫を抱える必要が少なく、さまざまな商品を広範に提供できるため、ロングテールの戦略が有効に活用されています。

オムニチャネル

オムニチャネル(Omni-Channel)は、顧客がオフライン(実店舗)とオンライン(ウェブサイトやアプリ)の両方のチャネルを通じてシームレスなショッピング体験を享受できるように、企業が異なる販売チャネルを統合する戦略です。

これにより、顧客はどのチャネルでも一貫したサービスを受けられ、企業は顧客の購買履歴や嗜好を把握しやすくなります。

オムニ(Omni)には「全体の」「すべての」「あまねく」という意味があります。

オムニチャネルの具体例

オムニチャネルの具体的な例としては、アップルが良く挙げられます。

  1. オンラインストア:顧客はアップルのウェブサイトを通じて新製品の発売情報を得たり、直接製品を購入することができます。
  2. 実店舗(アップルストア):店舗では、製品を直接試すことができ、スタッフから製品の詳細な情報を得ることができます。また、店舗内で購入したり、オンラインで購入して店舗で受け取る(クリック・アンド・コレクト)といったことも可能です。
  3. アップルアプリ:アップルの公式アプリを使用すると、製品情報を閲覧したり、オンラインで購入したり、店舗の在庫状況を確認したりすることができます。
  4. アフターセールス:製品の問題が発生した場合、オンラインサポートを利用するか、アップルストアの「ジーニアスバー」で直接サポートを受けることができます。

これらのチャネルが連携し、顧客は自分の都合に合わせて利用するチャネルを自由に選ぶことができます。これがオムニチャネルの例となります。

O2O

O2O(Online to Offline)は、オンラインの世界とオフラインの世界を結びつけるマーケティング戦略を指します。

オンラインでのアクション(情報収集、商品検索、予約など)を、オフラインでの実際の購入やサービス利用につなげます。

例えば、オンラインの広告を見て実店舗で買い物をするなど、両世界の相互作用を利用したビジネスモデルです。

O2Oには以下のような例があります。

  1. レストランの予約サービス: オンラインのプラットフォームやアプリを使用して、リアルのレストランでの席を予約するサービス。例えば、OpenTableやTabelogの予約サービスなど。
  2. オンラインのクーポンサイト: Grouponやクーポンランドのようなサイトで割引クーポンを購入し、オフラインの店舗やスパ、ジムなどで利用する。
  3. ライドシェアリングやタクシーサービス: UberやLyftのようなアプリを使用して、リアルの車を手配・利用するサービス。
  4. リアルストアの商品確保: オンラインで商品を選び、実際の店舗での受け取りや試着をするシステム。例えば、ZaraやUniqloの「店舗での受け取り」サービス。
  5. バーチャルフィッティング: オンラインでのアプリやツールを使用して服やアクセサリーを「試着」し、気に入った商品をオフラインの店舗で購入するサービス。

エスクローサービス

エスクローサービスとは、オンライン上の売買取引において、買い手と売り手の間に立って取引を安全に進める第三者のサービスです。

エスクローサービスの主な役割は、買い手からの支払いを一時的に預かり、売り手が約束した商品やサービスを適切に提供したことを確認した後に、売り手にその支払いを渡すことです。

エスクローサービスの利用は、不確実性やリスクが高い取引において特に有用であり、取引が正確かつ公正に行われることを保証する役割を果たします。

エスクロー(escrow)は「第三者預託」という意味の英単語です。

エスクローサービスの例

オンラインオークションを例にとってエスクローサービスを説明します。

オンラインオークションサイトでのエスクローサービスの利用は、取引の安全性を高める重要な役割を果たします。

具体的な流れは次のとおりです。

  1. 購入者は落札した商品の代金をエスクローサービスに送付します。この時点ではまだ売り手にはお金が渡りません。
  2. エスクローサービスは、購入者からの代金を受け取ったことを売り手に通知します。
  3. 通知を受けた売り手は、商品を購入者に発送します。
  4. 商品が購入者に届いたら、エスクローサービスにその旨を通知します。エスクローサービスは確認のために一定期間(通常は数日間)を設け、その間に購入者は商品の状態を確認します。
  5. 商品に問題がなければ、エスクローサービスは代金を売り手に送付します。商品に問題がある場合は、エスクローサービスが介入し、代金の返還や対応を行います。

このように、エスクローサービスは売り手と購入者の間で代金を一時的に保管する役割を果たし、両者の間の信頼関係を構築するのに役立ちます。

エスクローサービスを通じて、購入者は商品が満足いくものであることを確認した上で支払いを行い、売り手は代金を確実に受け取ることができます。

もしもエスクローサービスがなかったら?

エスクローサービスは、売り手と買い手の間に立って取引を仲介し、双方の信頼を構築するためのサービスです。エスクローサービスが存在しなかった場合に考えられるトラブルは以下のようなものです。

  1. 先払い詐欺:買い手が商品代金を支払った後、売り手が商品を発送しない場合が考えられます。逆に、売り手が商品を送った後に買い手が代金を支払わないというケースも考えられます。
  2. 商品の不一致:買い手が受け取った商品が、注文時の商品と異なる場合、返品や返金の交渉が難しくなる可能性があります。
  3. 取引の遅延:支払いや商品の配送に関する不信感から、双方が行動を先延ばしにすることで、取引が長引くリスクがあります。
  4. 取引のキャンセル:取引の途中で一方の当事者が信頼を失うことで、取引がキャンセルされる可能性が高まります。
  5. リソースの浪費:トラブルが生じた場合の交渉や解決に多くの時間や労力がかかり、双方の損失が増大することが考えられます。

エスクローサービスはこれらのリスクを大きく低減させ、取引の透明性と安全性を高める役割を果たします。

逆オークション

逆オークションは、複数の販売者が一つの商品やサービスについて価格を競って、最も低い価格を提案した者が取引の権利を獲得する取引方式です。

通常のオークションが「高い値段をつけた買い手が勝つ」のに対して、逆オークションは「低い値段をつけた売り手が勝つ」仕組みとなっています。

これにより、買い手はコストを抑えることができます。

逆オークションの例

以下は逆オークションの例です。

  1. 企業の調達:
    • ある企業が新たなオフィスの家具を必要としているとします。この企業は逆オークションを開催して、複数の家具メーカーやサプライヤーに参加を呼びかけます。参加したサプライヤーたちは、最も低い価格で家具を供給できるかを競い合い、最も条件が良いサプライヤーとの取引が決まります。
  2. 建設プロジェクト:
    • 地方自治体が新しい公共施設の建設を計画している場合、建設業者を選定するための逆オークションを開催することが考えられます。この際、品質や納期などの基準を満たしながら、最も低い予算で施工を提案した業者がプロジェクトを受注することになります。
  3. 電力の調達:
    • ある大手企業が環境に優しい再生可能エネルギーを調達したいと考えた場合、風力や太陽光発電の提供業者を対象に逆オークションを行い、最も低コストで電力を供給する業者と契約することが考えられます。
  4. フリーランスのプロジェクト:
    • オンラインのフリーランスプラットフォームで、クライアントがウェブサイト制作やロゴデザインなどの仕事を出品し、複数のデザイナーや開発者がその仕事を引き受ける価格を競い合うケースも、逆オークションの一例と言えます。

クラウドファンディングとクラウドソーシング

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、個人や企業が特定のプロジェクト、ビジネスの立ち上げ、またはイベントのための資金を集めるために、インターネットを利用して広範な人々から支援を募る手法です。

このアプローチは、従来の資金調達方法と異なり、個人投資家や消費者が直接プロジェクトの成功に貢献できる点が特徴です。

クラウドファンディングのプラットフォームでは、プロジェクトの詳細を公開し、目標金額と期限を設定して支援を募ります。

クラウドファンディングの主な形態には以下のようなものがあります。

購入型
クラウドファンディング
この形式では、支援者はプロジェクトに資金を提供する代わりに、将来の製品やサービスを事前購入します。多くの場合、製品の初期バージョンや特別版がリターンとして提供され、新しい製品の市場導入をサポートします。
投資型
クラウドファンディング
投資者は企業やプロジェクトに資金を提供し、その見返りとして株式や利益の一部を配当金としてを受け取ります。このタイプは、実質的に投資者がプロジェクトのリスクとリターンに共に関与することを意味します。
貸付型
クラウドファンディング
この形式では、支援者はプロジェクトに対して貸し付けを行い、将来的に金利を含む返済を受け取ります。この形式は、事実上の個人間融資の形をとり、支援者は貸主となります。
リワード型
クラウドファンディング
リワード型では、金銭的なリターンは提供されず、代わりに非金銭的なリターンや特典が提供されます。これには、製品のサンプル、感謝の記念品、プロジェクトに関連する体験やサービスが含まれることが一般的です。
寄付型
クラウドファンディング
この形式では、支援者はプロジェクトを金銭的に支援しますが、何らかの物理的なリターンや報酬を期待せず、純粋にプロジェクトの目標や理念を支援するための寄付を行います。

クラウドファンディングは、様々なプロジェクトやビジネスが資金を集めるための革新的な方法であり、多くの創造的なアイデアや製品が実現可能となる新しいチャンスを提供します。

支援者は直接的にプロジェクトの成否に関与し、プロジェクトの成果を共有することができます。それぞれのクラウドファンディングの形態は、異なるニーズと目的に応じて設計されており、プロジェクト発起人と支援者双方に適した形態が選択されます。

クラウドソーシング

クラウドソーシングは、インターネットを通じて不特定多数の人々に仕事やタスクを外注することを指します。

企業や個人が特定のプロジェクトや問題解決のために、オンライン上で公募を行い、世界中からスキルやアイデアを持つ人々を集めます。

この手法により、デザイン作成、アイデア募集、データ分析、プログラミングなど、様々な仕事を効率的かつコスト効率良く進めることが可能になります。

クラウドソーシングは、多様な才能や意見を取り入れることができるため、革新的なアイデアやソリューションを得やすいという利点があります。

関連用語

フリーミアム

フリーミアム(freemium)は、無料版(フリー:free)と有料版(プレミアム:Premium)の両方を提供するビジネスモデルです。

ユーザーは無料版でサービスや製品を利用できますが、追加機能やサポート、容量拡大などのプレミアム機能を利用するためには有料版にアップグレードが必要です。

フリーミアムは、ユーザーに無料版を試す機会を与えることで、徐々にサービスの価値を実感させ、有料版への移行を促す戦略です。

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