入出力装置
入出力装置は、コンピュータが外部と情報をやり取りするための装置です。
入力装置は、ユーザーがデータをコンピュータに入力するために使用し、出力装置は、コンピュータが処理したデータをユーザーに表示するために使用されます。
代表的な入力装置には、キーボード、マウス、スキャナー、マイクロフォンなどがあります。
一方、代表的な出力装置には、モニター、プリンター、スピーカーなどがあります。
これらの装置は、コンピュータに接続され、コンピュータの操作に必要不可欠な役割を果たしています。
キーボード
キーボードには文字以外にも様々な用途で使用するキーが配置されています。過去に試験に出題されたキーの種類には以下のようなものがあります。
テンキー
キーボードの右側に並んでいる数字入力部分を指します。
一般的には、数字の0~9、そして小数点、演算子(加算、減算、乗算、除算)、そしてエンターキーが含まれています。
主に数値の入力や計算に使用されます。名前は、テン(10)とキー(鍵、ここではボタンの意)に由来します。
スペースの問題からテンキーが付属していないキーボードもあります。
ファンクションキー
キーボード上部に並んでいる「F1」から「F12」までのキーを指します。
これらのキーは、操作システムやアプリケーションによってさまざまな機能を割り当てられます。
例えば、一般的に「F1」はヘルプ機能の呼び出し、「F5」はWebブラウザのページ再読込みなどです。確認のために実際に押してみるとよいでしょう。
バーコードリーダ
バーコードリーダとは、商品や書類などに印字されたバーコードを光学的に読み取り、情報を取り込む入力装置のことです。
バーコードリーダは、POSレジなどで広く使用されているほか、在庫管理や図書館の貸出管理など、様々な分野で利用されています。
JANコード
JANコードは、商品識別のためのバーコードシステムで、世界的に広く使用されています。
これは、商品の種類を区別するための13桁の数値で構成されており、読み取りは一方向からのみ行うことができます。また、情報量は限られており、主に製品の識別情報を保持するために使用されます。
以下はJANコードのサンプルです。先頭の数値は国を表し、その次がメーカーコード、商品コード、チェックデジットの順に並んでいます。
チェックデジットとは、読み誤りがないかチェックするために算出された数値で、バーコードデータの直後に付加されます。
QRコード
QRコード(Quick Response Code)は、より複雑な情報を格納できる二次元バーコードの一種で、情報を水平方向と垂直方向の両方に格納します。
これにより、数千文字分の情報を格納することが可能で、英数字や記号、漢字などの多様な文字情報を含めることができます。
また、読み取りは任意の方向から可能で、エラー訂正機能があるため、一部が損傷していても正確に読み取ることができます。
QRコードは高速で読み取りが可能で、ウェブサイトのURL、名刺情報、決済情報など、テキストやURLを含む幅広いデータを格納できます。
また、QRコードは携帯電話やタブレットなどのカメラで簡単に読み取ることができ、マーケティング、チケット予約、決済システムなど様々な用途で活用されています。
JANコードとQRコードの性能面での違いとしては以下のような点が挙げられます。
- 情報量:QRコードはJANコードよりもはるかに多くの情報を格納できます。特に、文字情報を含める必要がある場合、QRコードが有利です。
- 読み取りの方向性:QRコードは360度の任意の方向から読み取ることができますが、JANコードは一方向からしか読み取れません。
- エラー訂正機能:QRコードにはエラー訂正機能があり、コードの一部が損傷していても情報を読み取ることが可能です。一方、JANコードはこのような機能を持っていません。
- 適用範囲:JANコードは主に商品識別に使用され、QRコードはQRキャッシュレス決済、ウェブサイトのURL、連絡先情報、テキスト情報など、様々な用途で使用されます。
ディスプレイ
ディスプレイは、コンピュータなどの情報機器において、情報を視覚的に表現するための画面装置です。
その種類には、電子的に画像を生成する液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどがあります。
ディスプレイは、表示する情報の種類や用途に応じて、解像度、コントラスト比、色再現性、視野角などの特性が異なっています。
種類 | 特徴 |
---|---|
液晶ディスプレイ(LCD) | 液晶を利用したディスプレイ技術で、液晶パネル、バックライト、偏光板などの層で構成されています。液晶パネル内の液晶分子の配向を電圧で制御することで、光の透過量を調節し、画素ごとに色と輝度を表示します。 LCDは一般的に低消費電力であり、薄型で軽量であるため、ノートパソコンやモニター、テレビなどに広く使用されています。ただし、応答速度やコントラスト比、視野角などの面で、有機ELディスプレイに劣ることがあります。 |
有機ELディスプレイ(OLED) | 有機発光材料を用いたディスプレイ技術で、画素ごとに自己発光する特性を持っています。このため、バックライトが不要で、薄くて軽量なディスプレイを実現できます。 また、応答速度が速く、コントラスト比が高いため、鮮明で美しい画質を映し出すことができます。さらに、曲面やしなやかな弾性を持ったディスプレイも製造可能です。ただし、製造コストが高く、有機材料の寿命に制限があるため、長寿命化やコスト削減が課題となっています。 |
ディスプレイの解像度
ディスプレイの解像度は、画面上に表示されるピクセルの総数を表します。ピクセルはディスプレイ上で画像や文字を形成する最小単位の点で、それぞれが特定の色を表示します。
解像度は、通常、横方向のピクセル数と縦方向のピクセル数の組み合わせとして表されます。たとえば、1920×1080という解像度は、ディスプレイの横方向には1920個、縦方向には1080個のピクセルがあることを意味します。これは2KあるいはフルHD(High Definition)とも呼ばれます。
解像度が高いほど、画面上のピクセルの密度が高くなり、より詳細で鮮明な画像を表示することができます。一方、解像度が低いと画像は荒くなり、細部が見えにくくなります。
また、ピクセルは色を表示するために、通常は「赤」「緑」「青」の3つのサブピクセルから成り立っています。これらの各サブピクセルの明るさを調節することで、ピクセル全体の色を変更することができます。
それぞれのディスプレイ技術(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなど)は、ピクセルを制御して色を生成する独自の方法を持っていますが、基本的な概念は同じです。
2K | 2K解像度は、横方向に約2,000画素(通常は1,920画素)を持つディスプレイを指します。 一般的な2Kディスプレイは、横1,920画素×縦1,080画素(Full HD)の解像度を持ち、映画やテレビ番組の視聴、一般的なコンピュータモニターに広く使用されています。 |
4K | 4K解像度は、横方向に約4,000画素(通常は3,840画素)を持つディスプレイを指します。 一般的な4Kディスプレイは、横3,840画素×縦2,160画素(Ultra HD)の解像度を持ち、高画質映像の視聴やプロフェッショナルな映像制作、ゲームなどに適しています。 4Kは2K(Full HD)の解像度の約4倍の画素数を持っており、より鮮明でリアルな画質を提供します。 |
8K | 8K解像度は、横方向に約8,000画素(通常は7,680画素)を持つディスプレイを指します。 一般的な8Kディスプレイは、横7,680画素×縦4,320画素の解像度を持ち、極めて高い画質が求められる用途に適しています。 8Kは4Kの解像度の約4倍、2K(Full HD)の解像度の約16倍の画素数を持っており、非常に高精細でリアルな画像を表示することができます。 |
ディスプレイの色
ディスプレイに表示される色は、赤(RED)、緑(GREEN)、青(BLUE)の三原色(RGB)を組み合わせて表現されます。各原色の強度を変化させることで、様々な色を表現することができます。
また、ディスプレイの色表現能力を表す指標として、色深度というものがあります。
色深度は、1ピクセルあたり表現可能な色の数を示し、RGBにそれぞれ8ビットずつ割り当てた24ビットの場合は、赤×緑×青=28×28×28=約1677万色が表現可能で、このような方法で表現されたカラー画像を特にフルカラー画像と呼びます。
プリンタ
プリンタは、コンピュータからのデータを用紙などに印刷する装置です。プリンタには次のような種類があります。
レーザプリンタ
レーザプリンタは、レーザ光と静電気を利用して印刷を行うプリンタの一種です。
まず、ドキュメントのイメージをレーザ光で感光ドラムに形成し、静電気によりトナーをドラムに付着させます。その後、トナーを用紙に転写して、高温で定着させることで印刷を完成させます。
レーザープリンタは高速で、高品質な印刷が可能で、オフィスや家庭で広く使用されています。
インクジェットプリンタ
インクジェットプリンタは、液体インクを細かいノズルから噴射し、紙に印刷します。
多くのインクジェットプリンタはカラー印刷に対応しており、印刷解像度が高く、低コストでプリントできるため、一般家庭や小規模オフィスでよく利用されています。
レーザプリンタに比べて初期投資は低いですが、インクの消耗が早く、印刷コストが高くなることがあります。また、印刷速度はレーザプリンタより遅いことが多いです。
ドットインパクトプリンタ
ドットインパクトプリンタは、印字ヘッドに針を備えたプリンタで、紙にインクを飛ばす代わりに、紙をたたいて印字する方式のプリンタです。
印刷時には、紙とインクリボンを同時に送り出して、針がインクリボンの上から紙に当たることで、紙に文字や図形が印刷されます。
古い技術ですが、頑丈で耐久性が高く、比較的安価に製造できるため、複写などの用途に使用されることがあります。しかし、印字速度が遅く、印字音が大きいため、最近はあまり使われなくなっています。
プリンタの解像度
プリンタの解像度は、プリンタが出力する画像や文字などの品質を表す指標の1つです。
プリンタの解像度は、dpi(dot per inch:ドットパーインチ)単位で表され、1インチあたりに印刷可能なドットの数を示します。
高い解像度のプリンタは、より詳細な画像や文字を印刷できますが、印刷速度が遅くなる場合があります。一般的に、写真などの印刷には600 dpi以上の解像度が必要です。
また、スキャナで写真や絵などを読み込むときの解像度にもdpiという単位が用いられます。
カラープリンタの色
カラープリンタでは、一般的にC(Cyan:シアン)、M(Magenta:マゼンタ)、Y(Yellow:イエロー)、K(Key plate:黒のこと)※の4色のインクを使用して、さまざまな色を表現しています。
これらの色を組み合わせることで、フルカラーの写真やイラストを印刷することができます。
※Key plateとは黒色のインクのことです。理論上、シアン、マゼンタ、イエローを均等に混ぜ合わせると黒になると言われますが、実際の印刷ではうまく作れず、濃いグレーのような色になってしまうため、Key plateが別途必要になります。
3Dプリンタ
3Dプリンタとは、デジタルデータをもとに、素材を少しずつ層状に積み重ねることで立体物を作り出す製造機のことです。
一般的に、プラスチックや金属、セラミックスなどの素材を使用して、立体物を作成することができます。
3Dプリンタは工業用途や医療現場での使用など、様々な分野で活躍しています。
関連用語
mAhは「ミリアンペアアワー(milliampere-hour)」の略で、バッテリーの容量を表す単位です。
これはバッテリーが1時間供給可能な最大の電流量をミリアンペア(mA)単位で示しています。例えば、1000mAhのバッテリーは、理論上1000mAの電流を1時間供給することができる容量が蓄電できることを意味します。
バッテリーのmAh値が大きいほど、そのバッテリーはより長くデバイスを稼働させることができるため、バッテリーの持続時間の指標として使用されます。
OCR(Optical Character Recognition)は、画像データから文字を認識し、編集可能なテキスト形式に変換する技術です。
この技術は、紙の文書やPDFファイル、写真などに写っているテキストをデジタルデータに変換するのに使用されます。OCRシステムは、様々なフォントや手書きの文字を認識する能力を持ち、テキストの読み取りと変換を自動化することができます。
OCRのプロセスは一般的に以下のステップで構成されます:
- 前処理:画像をクリアにし、文字が認識しやすい形に調整します。これには、ノイズの削減、コントラストの調整、画像の回転やスケールの調整が含まれます。
- 文字認識:前処理された画像から文字を検出し、それぞれの文字をデジタルデータに変換します。
- 後処理:認識されたテキストの誤字や脱字を修正し、文法的に正しいテキストを確保します。
OCR技術は、図書館での書籍のデジタル化、オフィスでの書類管理、自動車のナンバープレート認識など、多岐にわたる分野で応用されています。