ファイルシステム① ファイル管理

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ファイル管理

ファイル管理とは、コンピュータ上で扱うファイル(データ)を効率的かつ適切に管理することを指します。

具体的には、ファイルの作成、削除、移動、コピー、名前の変更などを行い、必要なファイルを簡単に見つけられるようにすることが目的です。

また、ファイルのバックアップやセキュリティの確保なども含まれます。

ファイル管理は、オペレーティングシステムによって提供される機能の一つですが、ユーザーが操作するファイルマネージャーなどのアプリケーションでも行うことができます。

階層構造

ファイルの階層構造は、あたかも木の枝が分岐して広がっていくような形で、データを整理する方法を指します。

一番上に位置するルートディレクトリから始まり、その下にさらにディレクトリ(フォルダ)やファイルが存在します。それぞれのディレクトリはさらに自分自身の下に他のディレクトリやファイルを持つことができます。

このようにしてデータが階層的に管理されるため、データの整理や検索が容易になります。

ルートディレクトリ

ファイルの階層構造における最上位のディレクトリをルートディレクトリ(root directory)と言います。

これは、全てのファイルとフォルダの「起点」となる場所で、通常はスラッシュ「/」やドライブ名「C:」で示されます。

ルートディレクトリの違い

ルートディレクトリは”/”となる場合と”C:”となる場合がありますが、それは、それぞれ使用しているオペレーティングシステム(OS)が異なることを示します。

ルートディレクトリの”/”は、主にUnix系のオペレーティングシステム(Linux, MacOSなど)で使用されます。

ルートディレクトリの”C:”は、主にWindowsオペレーティングシステムで使用されます。

Windowsでは、各物理的なドライブ(HDD, SSDなど)や論理的なドライブ(パーティション)に対してアルファベットのドライブ文字が割り当てられます。その中で”C:”は一般的にシステムがインストールされているプライマリードライブを示します。

サブディレクトリ

サブディレクトリ(sub directory)は、あるディレクトリの中に存在する別のディレクトリを指します。

これは上述の階層構造の一部で、親ディレクトリの下に位置します。

たとえば、「ドキュメント」ディレクトリの中にある「経済」ディレクトリは、「ドキュメント」ディレクトリのサブディレクトリになります。

サブディレクトリを使用することで、関連するファイルをまとめて整理することができます。

カレントディレクトリ

カレントディレクトリ(current directory)とは、現在作業しているディレクトリ(フォルダ)のことを指します。

カレントディレクトリが変更されると、それに伴ってファイルの操作対象となる範囲も変更されます。つまり、下の図でカレントディレクトリを移動すると、Document.txtファイルが操作対象から外れることになります。

ファイルを作成したり、削除したり、移動したりする場合には、操作を行う前に作業ディレクトリを確認して、正しい場所にいるかどうかを確認する必要があります。

ファイルパス

ファイルパス(file path)とは、コンピュータ内のファイルやフォルダの場所を示すために使われる文字列のことです。

ファイルパスには、ファイルやフォルダの名前、フォルダの親子関係、そしてコンピュータ上のどのドライブに存在するかなど、ファイルの場所を特定するための情報が含まれます。

一般的に、ファイルパスはスラッシュ「/」やバックスラッシュ「\」を使って区切られたフォルダやサブフォルダの名前を列挙することで表されます。

絶対パス指定

絶対パス指定とは、ファイルやディレクトリの場所を、ルートディレクトリから順に辿って、完全なパスで指定する方法です。

ルートディレクトリからのパスのため、ファイルがどこにあっても正確に指定できます。

例えば、Windowsの場合、Cドライブ直下にあるファイルであれば、絶対パス指定では “C:\ファイル名” のようになります。

絶対パスの例
  1. Windows: C:\Users\Username\Documents\file.txt
  2. macOS・Linux: /Users/Username/Documents/file.txt

これらのパスは、システムのルートディレクトリ(”/”あるいは”C:”)から始まり、そのファイルまでの完全なパスを示しています。

相対パス指定

相対パス指定は、現在作業しているディレクトリを基準にしてファイルやディレクトリを指定する方法です。

具体的には、「./」で現在のディレクトリを、「../」で一つ上のディレクトリを表します。

たとえば、「./test.txt」は、現在のディレクトリにある「test.txt」ファイルを指定します。

相対パスの例
  • Documents/Report.pdf
  • ../data.csv
  • ../../usr/bin/python

これらのパスは、現在いるディレクトリから見た相対的な位置を示しています。例えば、最初の相対パス “Documents/Report.pdf” は現在のディレクトリにある “Documents” フォルダ内の “Report.pdf” ファイルを指しています。

“../” は「一つ上のディレクトリ」を表し、”../../” は「二つ上のディレクトリ」を表します。これを使ってパスを表現すると、現在のディレクトリから見た上の階層のディレクトリやファイルへの相対パスを示すことができます。

「絶対パス指定と相対パス指定」例え話
  1. 絶対パス指定:これは、あなたが友人の家へ行くときにGoogleマップなどで完全な住所を入力するのと同じです。どこから出発するかに関係なく、その住所は常に同じ家に連れて行ってくれます。この住所は「絶対パス」で、コンピュータではそれが完全なファイルやディレクトリの場所を指します。
    例えばルートを「東京都」とすれば、東京都千代田区○○町〇丁目・・・のように指定するのに似ています。
  2. 相対パス指定:これは現在の位置から目的地までの道順を示しています。これは、あなたが友人と公園にいるときに別の友人の家への道順を尋ねることに似ています。その道順は「この公園を出て右に行き、2つ目の交差点を左に曲がり、青い家を過ぎたら右にある家だよ」といった具合の表現になります。これが「相対パス」で、コンピュータではそれが現在のディレクトリ位置から見たファイルやディレクトリの場所を指します。
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